生まれた街
僕は今、東京都府中市に暮らしている。東京の郊外ではあるが、幹線道路やそこそこの商業施設があり、それなりに人も多い。生まれは田舎で趣味が自然で遊ぶことである僕にとってはどこか違和感がある街ではある。
そんな府中の唯一、落ち着ける場所が多摩川だ。僕は毎日、多摩川の周りを走ったり、釣りをする。
僕が昔住んでいた街にも多摩川のような川があった。子供のころは良く川で遊んだ。毎日通学で走った。土手で青春っぽいこともした。でも、昔はなんとも思わなかった。
最近、多摩川を通して昔住んでいた街を思いだす。戻らない時間を惜しんでいる訳ではなく、ただ生まれた街を思い出して愛おしく思う。生まれた街を出て10年以上経つが、そんなこと考えたことはなかった。
個人的に過去を振り返ることは好きではない。生産的ではないし、人の価値は未来を作っていくことであると思うからだ。
でも、生まれた街を愛する(過去を肯定する)ことは必要だよね。原風景を持ってることを幸せに思う。
そんなことを考えながら今日も多摩川を走る。