奥多摩鷹ノ巣山単独行
平成30年10月12日
今日は曇り予報。日中、雨は降らないらしい。16時までフリーな時間がある。山行こう。じゃあ、奥多摩か。雲取山にしよう。紅葉はまだ早いかな。
4時ごろ府中の自宅を出発する。青梅に入るとフロントガラスに雨が当たる。奥多摩に入ると車に水飛沫が上がる様になる。どうする?やめる?着いてから考えるか。
6時過ぎに小袖乗越駐車場に着いた。車二台、バイク一台だ。平日はこんなものか。
雨は弱くなったが小雨だ。レインウェア(ストームクルーザー)を着込み、歩き始めた。すると、後方から年代物のジムニーに乗った方に声をかけられた。
今日、小袖乗越駐車場はヘリの離着陸のため駐車できないとのこと。下の鴨沢駐車場に行くか。時間が‥。
違う山にするか。雲取は何度も行ってるし。車で登山地図を広げて行き先を考える。
候補は飛龍山か鷹ノ巣山。時間を考えると鷹ノ巣山か。決まれば早速、車を走らす。
7時過ぎに奥多摩湖駐車場に到着する。iPhoneで地図を起動し、紙地図でルートを確認する。
奥多摩〜六ツ石山〜鷹ノ巣山〜榧ノ木山〜奥多摩湖で行くことにした。目標は6時間。
小雨が降る中、ストームクルーザーを着込み、登り始める。ザックはblack diamondの30l、シューズはmomtrail bahada II だ。
民家を抜けると急登が始まる。登り始めて、15分。朝が吹き出してくる。ストームクルーザーは脱ぎ、ザックの外ポケットに押し込む。
ハイドレーションで水分補給をしつつ、止まることなくひたすら登り続ける。
心拍数が安定してくる。身体が慣れてきた。ふと、頭を上げると周囲は霧に覆われていた。静寂で幻想的だ。目を瞑り、息を吸い込み、前へ進む。
六ツ石山に到着するが、ガスで眺望はなし。時間の余裕がないので、行動食を食べながら歩きだす。
水根山を過ぎると緩やかな尾根の登りが続く。それにしても静かだ。
先日の台風24号の爪痕が所々に残っている。
そして、鷹ノ巣山に到着する。やはり周囲はガスのみ。諦めてお湯を沸かし、ドライフードで空腹を埋める。ハイドレーションを見てみると、2l入れてきた水が残り500mlを切っている。夏山のペースで水を飲んでいた。水分補給のタイミングや量を考えるのが下手であると実感。20分程休暇し、下り始める。
下りは榧ノ木山から倉戸山へ尾根を下っていく。思った程の疲労感はなく、軽快に下っていく。
道標がなく、迷いやすい。読図を行い、ルートを確認する。そして、下り続けると何やら周囲は谷のようになってきた。
しまった。道をロストした。すかさずログを確認すると、かなり道を外れている。ここで大きな失敗をする。地図を見ずに道を下り出してしまった。さらに深い谷に迷い込む。焦る。心拍数が上がり、喉が乾く。冷静になれ。まず、現在地を把握するんだ。現在を確認する。そして、地図とコンパスで方向を確認する。なんとか谷を登り尾根に出る。
これがログである。 なぜすぐにログを確認しなかったのか。間違ったと気づいた時点で谷を降りたのか。再度、読図をしなかったのか。焦りから正常な判断が出来なくなっていた。もし谷で滑落していたら‥今日は誰ともすれ違ってはいない。考えると背筋が冷たくなる。
尾根で道を間違ったら下らない。登る。きた道を戻る。地形を考えれば当然だ。ログ、地図、コンパスを確認しながら進む。
頭では分かっているつもりだった。登山中は冷静になり、客観的に現在の状況を考えることが必要だ。
その後も迷いやすい尾根の下りが続く。こまめにログ、コンパスを確認し、道を外れていないことを確認する。
14時過ぎに無事に奥多摩湖に到着する。ハイドレーションは空だった。ツェルトは持ってきていなかった。下山出来て良かった。
今回は静かな山に癒させると共に怖い経験をした。自身の未熟さを実感した。
単独行は全ての責任は自分自身にある。あらゆる事態を想定し、準備していなくてはならない。良く分かった。